事業計画

 令和2年度事業計画

 

1.基 本 方 針

 国際貿易等では、TPP11、日欧EPAに続き本年1月に日米貿易協定が発効した。日本農業を取り巻く国際化が進展するなか、米中の貿易問題に象徴されるように保護主義的な動きが加速し、国際情勢は混迷が増している。
一方、国内に目を向けると、食料・農村・農業を取り巻く情勢は、食料自給率の低迷、人口減少と超高齢化社会を迎え、生産基盤の縮小と農村の過疎化が進んでいる。また、26年ぶりに発生したCSF(豚熱)の感染拡大や、常態化する異常気象による大規模自然災害が各地に甚大な被害を与えた。
 加えて、昨年12月より中国湖北省を中心に新型コロナウイルス感染症が流行し、今年2月には国内初の感染者が確認された。新型コロナウイルスは現在も猛威を振るっており、農業分野においても大きな影響をもたらしている。
さらに、国連サミットで採択された「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための国際目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」への気運が高まっている。
 かかる中、我々青年農業者は国内外情勢を注視し、盟友の将来利益が確保されるよう、断固とした姿勢で臨む必要がある。

 また、本年は、農政の指針となる次期食料・農業・農村基本計画がスタートする年であり、実効性のある計画の実現が重要となってくる。
 そのため、我々青年農業者は食料・農業・農村・基本法の基本理念である「食料の安定供給の確保」、「農業の持続的な発展」、「農村の振興」、「多面的機能の発揮」の実現に向けて、自らが意欲、情熱、誇りをもって地域農業の振興に取り組むとともに、農業の抱える課題解決に向けて、運動を展開する。

 食料の安定供給の確保については、農業生産現場における産地の維持・拡大に必要な担い手や労働力不足の深刻化や、GAP手法の導入等による産地全体の底上げの必要性をふまえ、これら課題の打開へ向け活動を行う。
 農業の持続的な発展については、食料自給率の低下や食の乱れが問題視される中、食農教育活動を通じ、特に次世代を担う子供たちにいのちの糧である「食」を育む農業について、より関心を高め、正しい理解が得られるよう活動する。
 さらに、本協議会の活動全体を通し、農村の振興および多面的機能の発揮に寄与していく。

 我々青年農業者は、今こそ誇り高き青年の情熱と協同の力をもって、JAをよりどころに全青協・ブロック農青協、女性部等と連携し、地域農業の担い手として、農業が抱える課題について取り組んでいく。
 また、自らの組織の強化・活性化に取り組むとともに、地域農業の活性化と農業者が将来に展望の持てる施策の実現を図るため、青年部盟友の英知と行動力を結集して、次に掲げる活動を積極的に展開する。
 なお、本協議会は昭和26年11月発足以来、今年で70周年を迎えることから、諸先輩方及び関係機関各位に対し深甚なる敬意を表するとともに、今後の連盟の新たな飛躍を祈念し県青協創立70周年記念事業を実施する。

 

2.重点実施事項

 (1)JA青年部ならびに県青協の活性化対策の検討と実践
 (2)基本農政の確立と行政施策に意見を反映させる運動の展開
 (3)食農教育への積極的参画
 (4)農業経営の確立に向けた学習活動の展開

 

3.活 動 計 画

(1)青年組織基盤強化・活性化に向けた取り組み

 JA青年組織のあり方、事業展開等について十分な論議と実践による組織基盤の確立とJA青年組織活性化に向け取り組む。

 ① JA青年組織基盤強化・活性化具体策の検討と実践
 ② 盟友拡大に向けた取り組みと将来の青年組織を担うリーダーの育成
 ③ 単組委員長・部長・事務局合同会議、青年大会など各種発表会の実施
 ④ 県JA女性協および東北・北海道ブロック・JA全青協、JA県域組織等、各関係機関との連携強化
 ⑤ 県内全青年部でのポリシーブック作成に向けた取り組みの展開
 ⑥ 県青協ホームページやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を用いた活動の報告・情報の共有化、ならびに広報機能の充実・強化
 ⑦ 県青協創立70周年記念事業の実施
 ⑧ 婚活支援活動

(2)国民的合意形成運動および政策要求・農政運動の展開に向けた取り組み

 農畜産物価格の低迷や、飼料や肥料等の生産資材価格の高止まり等により農業所得が減少する中、食料自給率の向上・再生産可能な環境整備の実現をめざし、農業政策の提言活動や農政運動を展開する。

 ① 経済連携交渉にかかる運動の展開
 ② JAの自己改革にかかる意識共有および理解促進
 ③ 新たな水田農業政策・農地中間管理機構ならびに米価下落等への対応
 ④ 基本農政の確立を求める運動の展開
 ⑤ 県農業施策に意見を反映する活動の展開
 ⑥ 消費者および異業種団体との連携強化
 ⑦ 手作り看板や1分間動画の作成による自発意識の向上と消費者へのPR活動
 ⑧ ポリシーブックを活用した政策提言等の実施

(3)食農教育への取り組み

 21世紀の主役となる子供たちに対して、安全な食と豊かな自然環境を引き継ぐとともに、消費者に対する農業理解および学校教育における農業への理解の促進を図るため、食農教育に積極的に取り組む。

(4)農業経営の確立にむけた学習活動の展開

 JA青年組織のあり方を検討する中で、農業経営の確立に向けた学習活動を行うとともに、自己啓発をはかる。

 ① 地域農業の中核的役割を担うための研修会・学習活動の実践
 ② 「日本農業新聞」や『地上』等学習資材の購読運動の展開
 ③ 農業におけるSDGs(持続可能な開発目標)についての学習

(5)JA運営への参画とJA改革の実践

 地域農業・JA運動の中核的な担い手層のニーズに応えるJAづくりに向け、JA運動強化のための提言活動を展開するとともに、JA運営への参画を推進する。

 ① JAグループ役職員との意見交換会の開催
 ② JA運動強化のための提言活動
 ③ 青年部盟友のJA運営への参画推進