事業計画

 令和5年度事業計画

1.基 本 方 針

 国際情勢においては、世界的なコロナ禍、ロシア・ウクライナ情勢を発端とした生産資材価格高騰が農業者に深刻な影響を与えている。その影響は一過性ではなく、長期化が見込まれ、営農継続を断念することが懸念されている。
 国内に目を向けると、食料・農業・農村基本法(以下、基本法」という)の検証・見直しに向けた議論が進められており、食料安全保障の強化は、喫緊かつ最重要課題とされている。
 食料や資材を安定かつ安価に輸入できる時代は過去のものであり、食料安全保障の強化に関する国民の意識が高まりを見せているなか、JAグループでは、国民が必要とし消費する食材は、できるだけその国で生産する「国消国産」というメッセ―ジを発信している。
 かかる情勢の中、基本法の検証・見直しにあたっては、引き続き将来の農業を担う我々青年農業者の声を反映させていくとともに、10年後、20年後の農業を見据え、「活動指針」であり「政策提言集」であるポリシーブックを軸とした農政運動ならびに県産農産物の消費拡大運動を展開する。

 また、令和3年度に第29回JA山形県大会が開催され、10年後を見据えた「めざす姿」として、「持続可能な農業の実現」「豊かで暮らしやすい地域共生社会の実現」「協同組合としての役割発揮」を掲げ、その実現に向け、着実に取り組みを進めていくことが決定された。
 これらをふまえ、我々は自らの組織として、大会決議の実現に向けて取り組んでいかなくてはならない。
 持続可能な農業の実現については、農業生産現場における産地の維持・拡大に必要な担い手および労働力の確保を図るとともに、GAP手法の導入等による安全・安心確保対策の推進による産地全体の底上げが必要となる。これらの取り組みを推進するため研修会・学習活動を通じ、安全で安心な農畜産物を安定的に供給できる持続可能な地域農業の実践に取り組む。
 加えて、自国の食料を輸入に依存し、歯止めのかからない食料自給率の低さが問題視されるなか、国消国産のメッセージに応え、食農教育活動を通じ、特に次世代を担う子供たちが、いのちを育む農業についてより関心を高め正しい理解を得られる活動を推進する。
 さらに、JA運営への積極的な参画と本協議会の活動全体を通し、協同組合としての役割発揮の発揮に寄与していく。

 我々青年農業者は、今こそ誇り高き青年の情熱と協同の力をもって、JAをよりどころに全青協・ブロック農青協、女性部等と連携し、地域農業の担い手として、農業が抱える課題について取り組んでいく。

 ついては、自らの組織の強化・活性化に取り組むとともに、地域農業の活性化と農業者が将来に展望の持てる施策の実現を図るため、青年部盟友の英知と行動力を結集して、次に掲げる活動を積極的に展開する。

2.重点実施事項

 (1)JA青年部ならびに県青協の活性化対策の検討と実践
 (2)国民的合意形成運動および政策要求・農政運動の展開
 (3)食農教育への積極的参画
 (4)農業経営の確立に向けた学習活動の展開

3.活 動 計 画

(1)青年組織基盤強化・活性化に向けた取り組み

 JA青年組織のあり方、事業展開等について十分な論議と実践による組織基盤の確立とJA青年組織活性化に向け取り組む。

 ① JA青年組織基盤強化・活性化具体策の検討と実践
 ② 盟友拡大に向けた取り組みと将来の青年組織を担うリーダーの育成
 ③ 単組委員長・部長・事務局合同会議、青年大会など各種発表会の実施
 ④ 県JA女性協および東北・北海道ブロック・JA全青協、JA県域組織等、各関係機関との連携強化
 ⑤ 県内全青年部でのポリシーブック作成に向けた取り組みの展開
 ⑥ 県青協ホームページやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を用いた活動の報告・情報の共有化、ならびに広報機能の充実・強化

(2)国民的合意形成運動および政策要求・農政運動の展開に向けた取り組み

 農畜産物価格の低迷や、燃油及び飼料・生産資材の価格の高騰等により農業所得が減少する中、県産農畜産物の需要増・持続可能な農業の実現をめざし、農業政策の提言活動や農政運動を展開する。

 ① 行政へのポリシーブックの周知活動ならびに活用による政策提言等の実施
 ② 国際貿易交渉にかかる運動の展開
 ③ JAの自己改革にかかる意識共有および理解促進
 ④ 水田農業政策ならびに主食用米の需給緩和等への対応
 ⑤ 基本農政の確立を求める運動の展開
 ⑥ 県農業施策に意見を反映する活動の展開
 ⑦ 消費者および異業種団体との連携強化
 ⑧ 手作り看板や1分間動画の作成による自発意識の向上ならびに消費者へのPR活動
 ⑨ 「JA YOUTH 山形 県産農産物消費拡大プロジェクト」等を通じた県産農産物のPR活動の展開
 ⑩ 農業の魅力のPR等による新規就農者の確保に向けた活動の展開

(3)食農教育への取り組み

 次代を担う子どもたちに対して、安全な食と豊かな自然環境を引き継ぐとともに、消費者に対する農業理解および学校教育における農業への理解の促進を図るため、食農教育に積極的に取り組む。

 ① 県青協ホームページや動画共有サイト、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用した食農教育活動の展開
 ② 国消国産の理解醸成、県産農産物消費拡大にかかる食農教育活動の展開
 ③ 消費者理解醸成に関する取り組みの展開

(4)農業経営の確立にむけた学習活動の展開

 JA青年組織のあり方を検討する中で、農業経営の確立に向けた学習活動を行うとともに、自己啓発をはかる。

 ① 地域農業の中核的役割を担うための研修会・学習活動の実践
 ② 「日本農業新聞」の普及・活用
 ③ 『地上』購読・学習運動の展開
 ④ 農業情勢、農政課題や農業におけるSDGs(持続可能な開発目標)についての学習

(5)JA運営への参画とJA改革の実践

 地域農業・JA運動の中核的な担い手層のニーズに応えるJAづくりに向け、JA運動強化のための提言活動を展開するとともに、JA運営への参画を推進する。

 ① JAグループ役職員との意見交換会の開催
 ② JA運動強化のための提言活動
 ③ 青年部盟友のJA運営への参画推進